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寒山落木
(かんざんらくぼく)
鶯(うぐいす)の口のさきなり三萬戸
広島・比治山の展望台(富士見台)に立つ正岡子規の句碑に刻まれた作。「寒山落木」巻4にある。明治28年(1895)春、日清戦争従軍記者として出港を待っていた子規は、この句のほか厳島やにぎ津神社、段原、東練兵場、広島城などでの作、合わせて8句を残した。呉の宮原通りと入船山にそれぞれ句碑となっている
呉かあらぬ春の裾山灯をともす
大船や波あたたかに鴎浮く
の2句も、このときの作である。
子規はこのときの従軍で、帰国の途中に船中で喀血し、その後病勢が深まってついに寝たきりの闘病生活に入る。その病床で“写生論”を基本に書きつづった俳句・和歌の革新のための熱烈な言葉は、現代詩歌史の画期的な業績として、今もなお脈々と受けつがれている。俳句の「ホトトギス」短歌の「アララギ」がそれである。
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