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屍の街
(しかばねのまち)
「屍の街」は、大田洋子の原爆被爆後の第1作。市内白島で被爆し、川のほとりで何日か野宿した後、玖島村(佐伯町・現廿日市市)へ逃げのびるまでの“惨状と恐怖”の記録である。「いつかは書かなくてはならないね。これを見た作家の責任だもの」と作中で語っているように、障子紙やちり紙まで使って懸命に書き続けたが、初版<昭和23年(1948)>は検閲を顧慮して自発的に部分削除、2年後の再版でやっと復元完本とした。
“原爆文学”の初期を代表する作家の一人といわれたが、大田洋子自身は“原爆だけの作家”と呼ばれることを嫌い、次第に原爆を題材とすることから遠ざかった。
大田洋子の文学碑は、広島中央公園と玖島小学校の両方にあり、いずれも「屍の街」の一節が記されている。
「少女たちは、天に焼かれる、天に焼かれると歌のように叫びながら歩いて行った」
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