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宮島町歴史民俗資料館
(みやじまちょうれきしみんぞくしりょうかん)
厳島神社の長い廻廊を渡り切って、西へ100メートルほど行くと、風格のある古い出格子の屋並みに入る。
資料館は、江戸時代の後期、醤油(しょうゆ)の醸造販売業を営んでいた江上家の母屋、土蔵などを修復したもの。かつては、土蔵4棟を配置する豪商であったが、戦後長く放置されて荒廃していたのを、旧宮島町が購入し、修復と同時に、敷地内に展示館、代表民家などを新設して、昭和49年(1974)4月26日に開館した。
宮島の一般の町家は、普通間口が狭く奥行が深い。大戸から入ると、ずっと奥まで「通り庭」(通し土間ともいう)になっている。家屋の柱も小さいものが使われている。大黒柱といった目立った太柱も使っていない。全体に小作りである。江上家にも梁(はり)は大きいが、柱は小さ目で大黒柱といえるものはない。
江上家は、平屋建て、一部中2階。桟瓦葺き。棟瓦は、積み上げにせず、「がんぶり」という50センチ四角程度の大きい瓦を並べている。宮島独特のもので、「しし瓦」とか「サル瓦」ともいう。サルが町に多くいた昔、屋根に登って桟瓦をはがすために、大きな瓦にしたという話がある。庇(ひさし)は、板葺き、瓦は載せない。これも宮島独特のものといえよう。
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