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西国寺金堂・三重塔
(さいこくじこんどう・さんじゅうのとう)
西国寺山中腹にあり、尾道市街地を見下ろす真言宗寺院である。「西国寺由来記」によると、天平年間行基(ぎょうき)の草創とし、平安時代には、朝廷との関係が深かったとする。しかし、再度の火災にあい、現在の堂塔が造立されるのは鎌倉末期以後である。
金堂(こんどう)は、鎌倉末期の再建で、和様を基調としている。桁行(けたゆき)・梁間(はりま)各5間、一重、入母屋造り、本瓦葺きである。屋根に重量感があり、規模壮大で手法勇健といわれる。
一段と高所にそびえる三重塔は、方3間、本瓦葺きで、石製基壇の上に立つ純和様の復古建築である。この塔の建立については経緯を示す古文書が残っている。永享(えいきょう)元年(1429)3月日の宥尊塔婆勧進帳、足利義教と推定される「征夷将軍」をはじめとする室町幕府の要人が連署した建立寄進施主帳、山名一族の名がみえる再興寄附帳などがそれである。
正面石段下には、楼門形式の仁王門があり、巨大な草履が吊され、参拝客を驚かせている。金堂と三重塔は重要文化財、仁王門は県重要文化財である。
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