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蒲刈大橋
(かまがりおおはし)
上蒲刈島と下蒲刈島を結ぶ農道橋で、昭和54年(1979)に完成した。長さ480メートルのプラットトラス橋である。
この辺りは、中世、多賀谷(たがや)水軍の処(よ)る所とされ、近世には広島藩の海駅が置かれるなど、海上交通の要衝として発展した。
島の産業としては沿岸漁業のほかに、ミカンを中心とする農業がある。島の斜面を段々畑として耕したその面積の90パーセント以上がミカン畑である。
蒲刈ミカンの起源は、天文6年(1537)小ミカン、元和元年(1615)温州ミカンの栽培技術の導入と伝えられる。商業的ミカン農業の成立は、大正時代になってからである。海が迫った地形から、舟を利用した営農や運搬がみられたが、自動車の普及に伴って、島の道路網の整備が進行し、ついに、この大橋架橋によって両島は1つの広域営農団地として強く結びつけられることになり、輸送費の節減やミカンの共同選果が可能になった。
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