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帝釈峡遺跡群
(たいしゃくきょういせきぐん)
庄原市東城町と神石高原町にまたがる地域は、広島県の代表的な石灰岩地帯である。雄橋(おんばし)をはじめとする奇岩、風景は古くから知られ、国指定の名勝「帝釈川の谷」として多くの人が訪れる。この石灰岩地帯の洞窟や岩陰を利用した、石器時代の人々の生活の跡が発見されたのは、昭和36年(1961)のことである。
翌昭和37年(1962)から帝釈峡遺跡群発掘調査団、昭和52年、(1977)から広島大学文学部帝釈峡遺跡群発掘調査室が調査を進め、42ヵ所の洞窟、岩陰遺跡と、2ヵ所の開地遺跡が明らかとなった。そのうち帝釈馬渡(まわたり)・帝釈寄倉(よせくら)・帝釈名越(なごえ)・帝釈猿穴(さるあな)・帝釈猿神(さるがみ)・帝釈白石(しらいし)・戸宇牛川(とううしかわ)・東山(ひがしやま)(以上庄原市東城町)、帝釈観音堂(かんのんどう)・豊松堂面(どうめん)・帝釈穴神(あながみ)・帝釈弘法滝(こうぼうだき)などの調査を行っている。いずれの遺跡も縄文時代全般にわたる土器、石器、骨角器などを出土し、特に人骨の保存が良好である。先土器時代(旧石器時代)にさかのぼるのは、馬渡・観音堂などである。
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