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因島村上海賊の遺跡
(いんのしまむらかみかいぞくのいせき)
因島村上の本拠、因島(尾道市)には、海賊跡が十数ヵ所散在する。近世風の壮大な城郭ではなく、石垣や石積みだけのささやかなものだが、これらの砦を根城にして活動していた。
そのうちの本城は、島内の最高峰、青影(あおかげ)山(標高277メートル)の青影城跡で、頂に本丸、二の丸などいくつかの郭跡が現存する。ここからは因島を囲む水域や三島(さんとう)村上氏の勢力範囲の島々をすべて見渡すことができる。
東の麓には村上一族の墓地のある菩提(ぼだい)寺の金蓮(こんれん)寺と、因島水軍城があり、東海岸には幸崎(さいざき)城跡、堂崎(どうざき)城跡、一(いち)の城跡、千守(ちもり)城跡、美可崎(みかざき)城跡が点在する。南端の長崎(ながさき)城跡は造船所内に取り込まれてしまったが、西海岸の田熊方面には竹島(たけしま)城跡(愛媛県)、島前(しままえ)城跡、北方の重井方面には、馬神(うまがみ)城跡と連なって因島村上氏最後の拠点となった青木(あおき)城跡がある。
因島大橋の開通とともに、水軍城や「つれしお(連潮)の碑」のある因島公園を中心に”水軍の島”として大いに観光宣伝に努めている。
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