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馬洗川(ばせんがわ)

一級河川江の川の支流。広島県の中央部旧世羅西町(世羅町)上津田を源流とする平衡河川で、上流の一部をのぞいて、おだやかな女性的な流れである。
 世羅台地の雨を集め、北西に向かって流路をとり、上下川、国兼川、美波羅川の支流を合わせて江の川に合流する。長さ39.2キロメートル、流域面積699.2平方キロメートル。面白いことに、県東北部にワニ(サメ)の食習慣があるが、馬洗川の上流まで、かつて運ばれたワニは、川の流れに添うたものであり、水が山陰の食文化を定着させたといえよう。
 さて、馬洗川は、昔、「原川」と称され、三次盆地の大半を形成し、豊かな地味(ちみ)の上に、三次宿へ伝馬30頭が置かれた。馬洗の地名は、近世に入ってからのもので、伝馬とかかわりの深い意味をもっている。
 「西城川の男水、馬洗川の女水」ということわざがある。暴風雨に見舞われたらいざしらず、ふだんは、中流域から下流にかけて、ゆるやかな表情の川である。
 特に三次市三良坂町から美波羅川が合流するまであたりの流れは、「女川」にふさわしい。場所によっては、どちらに流れているのか、判断しかねるような、静かな流れを見ることができる。
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