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山野峡
(やまのきょう)
福山市山野町山野一帯は、海抜500から600メートルの波状台地をなしている「油木高原」の一部である。高梁川支流の小田川の浸食によって、この準平原である油木高原が刻み込まれ、美しい峡谷がつくられている。小田川本流の山野峡(猿鳴峡)やその支流古谷川の龍頭峡がそれである。
田原から北へ約5キロメートルにわたって続く猿鳴峡では、小田川沿いの蛇行した遊歩道を散策しながら聖橋・猿鳴橋を通って北に進むと、聖岳や屏風岳などの古生層の大岩盤がそそり立ち、見事である。また、田原から北へ上る短い龍頭峡の渓谷に、懸谷・小瀑・早瀬・淵などが見られ、入口から約1.3キロメートルのところに龍頭滝がある。この滝は、約30メートルの高さから、垂直に滝つぼに落ちており、その姿は勇壮である。さらに500メートル上流には4段の滝もあり、この一帯は、古生層の上を流紋岩が薄く覆っている地質構成になっている。龍頭峡は広島県名勝、山野峡は広島県立自然公園に、指定され保護されている。
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