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白滝山と五百羅漢(しらたきやまとごひゃくらかん)

 白滝山(227メートル)は因島の北部、重井町の東北端にあり、別名「観音山」ともいう。参道に並ぶ五百羅漢の石仏と山頂からのすばらしい眺望で知られる。
 村上海賊の村上吉充が観音堂を建立したと伝えられ、文政10年(1827)には柏原伝六が弟子とともに五百羅漢の石仏を造った。仁王像のある山門から頂上までの参道には、約700体の石仏が並ぶ。高さ50センチメートルから2メートルまでの羅漢像、釈迦二尊、阿弥陀三尊などが喜怒哀楽の表情で立ち、中には自分とよく似た顔の石仏があるといわれる。
 頂上にも自然石の多宝塔や釈迦三尊、等身大の十大弟子像などがところ狭しと並ぶ。山頂の展望台に立つと、因島の東西南北と瀬戸内海の多島美、因島大橋などが眼下に広がり、遠く四国連山も望むことができる。かつて歌人の吉井勇は、そのすばらしい眺望を「白滝の山に登れば眼路広し、島あれば海、海あれば島」と詠んだ。昭和32年(1957)に国立公園特別地域に指定された。平成28年(2016)に「“日本最大の海賊”の本拠地:芸予諸島―よみがえる村上海賊“Murakami KAIZOKU”の記憶―」に認定され、その構成文化財となっている。
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