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尾道水道
(おのみちすいどう)
尾道の駅に降り立つと、すぐ目の前に駅前桟橋があり、潮の香りが漂ってくる。尾道水道は対岸の向島(むかいしま)をはさんで、その幅わずか200メートル。古くから瀬戸内の島々を結ぶ船の寄港で栄え、貨物船やフェリーも終日、忙しそうに行き交っている。
楽しみの1つは、夜の景観。日が落ちると、街の灯が水道に映え、その美しさに観光客らは、しばし目を奪われる。
水道の左手には、昭和43年(1968)に完成した長さ386メートルの斜張橋尾道大橋がスマートな姿を見せる。それを見下ろす千光寺山などの山腹には数多くの古寺が立ち並び、尾道水道と調和して独特の情景をつくり出している。
天然の良港として、仁安3年(1168)に後白河院の年貢積み出し港になったのが始まりとされ、足利尊氏が九州への敗走途中と再び攻め上る時の二度にわたって立ち寄っている。以降も対明貿易の基地として、江戸時代は北前船の寄港などで繁栄をみせた。平成27年(2015)に「尾道水道が紡いだ中世からの箱庭的都市」として日本遺産の認定を受けた。
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