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瀑雪の滝
(ばくせつのたき)
三原市本郷町には、棲心寺の瀑雪の滝と、船木の女王滝の二つがある。
瀑雪の滝は、「棲真寺の滝」ともいう。滝水は、旧賀茂郡大和町(三原市)大草に発し、水量は豊かで、年間の水量変化も少ない。
滝口の右側は巨大な岩壁で、その上の岩は、永福寺開山仏照禅師の「座禅石」と伝えられている。滝の高さ30メートル、滝幅4メートル、滝壺(つぼ)の深さ1メートル。滝としてはさほど大きいものではないが、水量が豊富で、滝壺にはつねに飛沫水煙が立ち上り、夏なお涼しといった風情がある。
このあたりは、巨岩随所にそびえ、老松が岩を覆い、春は山桜、夏はツツジ、秋は楓の紅葉にいろどられる。
その昔、毛利元就もこの滝を見物してのち、上手にある棲真寺で宴を催したという。また、徳富蘇峰は、「安芸の嵐山」と絶讃している。
なお、棲真寺は、この滝の1,500メートルほど登ったところにある。臨済宗妙心寺の末寺で、本尊は、観音である。承久元年(1219)土肥遠平が、妻の早逝を悼んで、創建し、その菩提をとむらったという因縁がある。
仏照禅師がここに留錫(りゅうしゃく)したのは弘安二年(1279)であった。
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