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太田川と平和記念公園
(おおたがわとへいわきねんこうえん)
太田川は、広島の母なる川である。この川の源流点は、旧佐伯郡吉和村(廿日市市)の南西部に位置する冠山。標高1339メートルの山頂から西側へ100メートルほど下った湿地帯にある。流路はおよそ100キロメートル、西中国山地の森林をくぐり、渓に飛沫を上げ、ワサビや、オオサンショウウオなどを育てつつ、太古の流れは絶ゆることなく続いて、広島湾にそそぐ。
広島は水の都である。猿猴川、京橋川、元安川、本川、天満川、太田川放水路と6本の川が、都市美を高揚している。広島は太田川のつくったデルタの上に成立し、発展してきた。
明治以降、軍都としての機能が強められ、軍の重要拠点となった。ついに昭和20年(1945)8月6日、人類最初の原爆被災地となって、多くの人命が灼(や)かれ、放射能に侵され、今だにその傷痕は深く痛ましい。水の都は、地獄と化し、廃虚となった。
爆心地中島に、平和記念公園が建設され、平和記念資料館、原爆慰霊碑、祈りの泉、平和の灯などが配置され、被爆の惨状が展示され、平和へのひたむきな希求の祈りの場となっている。
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