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津田の大力ヤ
(つだのおおかや)
津田の旧町役場(現廿日市市佐伯支所)の近くで、県道から30メートルばかり入った所にある真幡(まはた)神社社殿のすぐ西側にカヤの大木(県天然記念物)があり、壮大な樹冠が神社の屋根を覆うようにして高くそびえている。樹高約35メートルで、県内有数の巨樹である。昔から地域の人々に神木として崇められ、大切に保護されてきた。
カヤは、よくモミと間違われることがあるが、葉の先がモミのように2つに分かれないで鋭く尖っている。実(み)は、モミの球果とは全く異り、長さ2〜3センチのだ円体で、外側の仮種皮は肉質、初めは緑色をしているが熟すると紫褐色になる。種子はそのままいったり、餅につきこんだりして食用になり、また食用、灯用の油がとれる。しかし、今はカヤの実を見たこともない人が多い。北原白秋「カヤの木山(きやま)の」の童謡にうたわれたカヤの実の情景はもう帰らぬ昔の夢であろうか。
旧佐伯町(現廿日市市)には、もう1つ県天然記念物に指定されている大木がある。それは友田(ともた)の速田(はやた)神社にあるツクバネガシで、これも、同種では県内有数の巨樹である。
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