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賽の神横のハゼノキとキヅタ
(さいのかみよこのはぜのきときづた)
丘の上の、一本立ちのハゼの大樹である。四方に思いきり枝を広げ、伸び伸びと育っている。樹高17メートル、胸高幹囲3.65メートル。大人の手で二抱えはある。
ハゼノキの実(み)から「ろう」を採取していた時代には大事にされたのだろうが、それ以後は、かぶれたりするので有害雑木として切られることが多く、これだけの大木を見ることはない。
この木の根元にある自然石は「賽の神」といわれ、ハゼノキは付属している神木として畏(い)敬され、大事に扱われたらしい。賽の神は道祖神(どうそじん)である。かつては、地御前と宮内を結ぶ主要路が通っていた。行き交う人を見守る神木でもあったのだろう。
今は、金剛寺小学校に隣接し、子供たちの元気な姿を見守っている。
ハゼノキにはキヅタの古木がからみついている。どこからがハゼノキで、どこまでがキヅタかわからぬほどに混然としている。秋の紅葉時には、真っ赤に染まった小山のようなハゼノキの中に、常緑のキヅタが交じって、見事な色彩美を演出する。
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