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鶴亀山のアベマキ
(つるかめやめのあべまき)
山陽本線入野駅の南方約500メートルの所に東西に並んだ2つの丘があり、併せて鶴亀山と呼ばれている。東の丘の北東山麓には産湯川(うぶゆかわ)厳島神社があり、西の岡の頂上には布多都宮(ふたつみや)八幡神社がある。西の八幡神社の前庭南東の隅にアベマキの大木が生じている。根回り周囲4.8メートル、胸高幹囲4.2メートルで、県内有数の巨樹である。上部はかなり枯損しているが古木の風格十分で、土地の人々に親しまれている。
2つの丘を覆う森はそれぞれ厳島神社、八幡神社の社叢(しゃそう)で、一括して「鶴亀山の社叢」として県天然記念物に指定されている。どちらの森林もアラカシの多いことが特徴的で、胸高幹囲1メートルを超えるものがかなりあり、2メートル以上の大木も時々見られる。その他の常緑広葉樹としては、ヒサカキ、アセビ、サカキなどがあり、場所によってはコジイ、シラカシ、クロキ、ソヨゴなども生育している。外縁のアカマツ林内には、ネジキ、コバノミツバツツジ、ヤマツツジなどのツツジ科植物が目立つ。アベマキもかなり多く混生しており、胸高幹囲1メートル以上の木が何本もある。厳島神社の社叢内には、イワヒバ、イワオモダカ、アオネカズラなど、比較的珍しいシダ植物も稀に観察される。
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