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安芸津のビワ
(あきつのびわ)
安芸津のビワは、安永年間(1772〜1781)すでに植栽されていた。それは在来種といわれるものだった。「茂木(もぎ)ビワ」が導入されたのは、三津の酒造業で軟水醸造の創始者三浦仙三郎(せんざぶろう)の弟忠造が、病気療養のため長崎にとう留し、そのときビワの苗木を持ち帰って植えたのが始まり。明治38年(1905)のことである。
明治後期には、愛媛県興居島(ごぼしま)から「田中(たなか)ビワ」がはいった。町のビワの中心は「田中種」で、90パーセントを占めている。ミカンブームに押されて一時減反したが、昭和55年(1980)頃から復活がはかられ、生産の維持に力が入れられている。
冬季から早春に白い花が咲き、小さな毛ばだった果粒がつく。黄熟するともう夏である。
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