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正伝寺のクロガネモチ
(しょうでんじのくろがねもち)
安佐南区相田にある正伝寺の本堂の左前に、クロガネモチの大木(雄株、県天然記念物)が黒々とした濃い緑の樹冠を大きく広げて生じている。幹の基部は、根張りが高く盛り上って地上50センチにも及んでいる。木の根元の部分には、こぶ状のふくらみがたくさんできており、いかにも老樹らしい風格を示している。クロガネモチでは県内有数の巨樹である。
クロガネモチは、本州(茨城・福井県以西)、四国、九州、沖縄、済州島、さらに台湾、中国大陸まで分布する雌雄異株(しゆういしゅ)の常緑広葉樹で、主として沿海地域に生じている。庭園樹としてよく植栽されており、雌株には径5ミリ内外の赤い果実が群がって生り美しい。しかし、それが熟する頃には、ヒヨドリなどの小鳥に食われてしまうことが多い。葉が濃い緑色で黒々としており、また、傷ついたり落葉して乾くと黒褐色になるのでクロガネモチ(黒鉄モチ)の名がある。
普通のモチノキに比べて、葉が幅広で大きく、葉柄も長い。まれに果実が黄色いものがあり、キミノクロガネモチという。
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