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人を指して言うことば
うち、うちゃあ |
【用例】うちゃあ、こんたびゃあよう行かんけえ |
【語意】私(私は) |
【訳】私は、この度は行けませんので |
おせ |
【用例】おせになったんなら、もうちったあ、もとおることを言うてみい |
【語意】大人 |
【訳】大人になったのなら、もう少しは、意味のあることを言ってみなさい |
おとんぼう |
【用例】ようけおるきょうだいじゃのに、おとんぼうが一番先に逝ってしまうとは・・・ |
【語意】末っ子 |
【訳】たくさんいる兄弟なのに、末っ子が一番先に逝ってしまうとは・・・ |
がんぼう |
【用例】あの子は、がんぼうじゃが、ええところもあるんよ |
【語意】いたずらっ子 |
【訳】あの子は、いたずらっ子ですが、いいところもあるのですよ |
ずいたれ |
【用例】あれほどのずいたれと一緒に食事に行ったらサイフがもたん |
【語意】くいしんぼう |
【訳】あれほどのくいしんぼうと一緒に食事に行ったらサイフがもたない |
はちまん |
【用例】あの子は、前にゃああれほどのはちまんじゃあなかった筈じゃが・・・ |
【語意】おてんば |
【訳】あの子は、以前はあれほどのおてんばではなかった筈だが・・・ |
ぶげんしゃ |
【用例】ありゃあ、ぶげんしゃじゃけえ(けん)のう |
【語意】お金持ち(の家) |
【訳】あの人は、お金持ちだからねえ |
動作をあらわすことば
いがる |
【用例】そがあな、いがり声をあげんさんなや。じっくり話にもならん |
【語意】(怒ったり痛かったりした時に)大声をあげる |
【訳】そんなに、大声をあげないでよ。じっくり話もできないよ |
いぬる、いんだ |
【用例】あれなら、はあ、いんだばっかりじゃが |
【語意】帰る、帰った |
【訳】彼(彼女)なら、今帰ったところだ |
いらう、いろうた |
【用例1】わしの新車を勝手にいらうな!
【用例2】おじいさんのあの鉢植えをいろうたらいけんよ。ものすごう大事にしとってんじゃけえ |
【語意】さわる さわった |
【訳1】私の新車を勝手にさわるな!
【訳2】おじいさんのあの鉢植えをさわってはいけませんよ。ものすごく大事にされているのだから |
かす |
【用例】昆布を一晩水にかしてだし汁をとりんさい |
【語意】水にひたす |
【訳】昆布を一晩水にひたしてだし汁をとりなさい |
かもう |
【用例】年寄りをかもうもんじゃなあで |
【語意】からかう |
【訳】年寄りをからかうものではないですよ |
くじゅうくる |
【用例】赤ん坊がくじゅうくる時は、ねむたいか、うんちかしっこか、何か不愉快なときなんじゃけ・・・ |
【語意】子どもがだだをこねる、むずかる |
【訳】赤ん坊がむずかる時は、眠いか、うんちかおしっこか、何か不愉快なときですから・・・ |
こう、こうてくる |
【用例1】ちょっと夕飯のおかずをこうてくるけえ
【用例2】息子に自転車をこうちゃろうか思うてのう |
【語意】買う、買ってくる |
【訳1】ちょっと夕飯のおかずを買ってくるから
【訳2】息子に自転車を買ってやろうかと思ってね |
しまう |
【用例】はあ、くろうなるけえ、しまいんさい |
【語意】片付ける |
【訳】もう、暗くなるから、片付けなさい |
たう |
【用例】お前も、ようよう自転車のペダルへ足がたうようになったのう |
【語意】届く |
【訳】お前も、ようやく自転車のペダルへ足が届くようになったね |
つばえる |
【用例】成人式でつばえる若いもんは、ちょびったあ減ったようなのう |
【語意】ふざけて騒ぐ |
【訳】成人式でふざけて騒ぐ若者は、少しは減ったようですねえ |
てご(をする) |
【用例】遊んどらんこうに、ちょびったあ、てごをせえや |
【語意】手伝い(をする) |
【訳】遊んでいないで、少しは、手伝いなさいな |
なす |
【用例】あの金をはようなしてつかあさいや |
【語意】返す |
【訳】あの金を早く返してくださいよ |
ねぶる |
【用例】今日の料理はうまかったんじゃろうて。皆、皿をねぶるほどきれいに食うとるで |
【語意】なめる |
【訳】今日の料理はうまかったのだろう。皆、皿を舐めるほどきれいに食べているよ |
のすける |
【用例】ごはんをついで、のすける |
【語意】手渡す |
【訳】ごはんをよそって、手渡す |
はぶてる |
【用例】悪気で言うたんじゃあないんじゃけえ、そがあ(そがい)にはぶてんさんなや |
【語意】ふくれる、すねる |
【訳】悪気で言ったのではないのだから、そんなにすねないでよ |
まどう |
【用例】ウチが受けた損は、ちゃんとまどうてくれえよ |
【語意】弁償する、償う |
【訳】こちらが受けた損は、きちんと弁償してくださいよ |
めぐ、めいだ |
【用例1】わしの車をめぐつもりか。もちっとゆっくり走れや
【用例2】お前のあの一言がこの縁談をめいだんよ |
【語意】壊す、壊した |
【訳1】私の車を壊すつもりですか。もう少しゆっくり走ってよ
【訳2】お前のあの一言がこの縁談を壊したのだよ |
よばれる |
【用例】ほいじゃあ、折角じゃけえ、よばれましょうかいの |
【語意】人から食事等をごちそうされる |
【訳】それでは、折角なので、いただきましょうか |
感じをあらわすことば
いなげな |
【用例】今更そがあ(そがい)にいなげなことを言いんさんな。あんたらしゅうもない |
【語意】変な、妙な |
【訳】今更そんな妙なことを言うものではないですよ。あなたらしくもない |
いびせえ |
【用例】大きななりをして夜道を一人で歩くのがいびせえじゃことの言うなや! |
【語意】おそろしい |
【訳】大きなからだつきをして夜道を一人で歩くのが恐ろしいなどと言うな! |
しわい |
【用例1】秋の農作業ほどしわいもんはないよのう
【用例2】あの男は顔はやおげなが、なんとしわいもんでよう |
【語意】苦しい、根気がある、ねばり強い、 |
【訳1】秋の農作業ほど苦しいものはないですよね 【訳2】あの男は顔は柔和そうだが、なんともねばり強いものだね |
すばろうしい |
【用例】なんと、ウチの子は、すばろうしいもんでよ |
【語意】口やかましい、(騒ぎ立てて)うるさい |
【訳】なんて、ウチの子は、うるさいのだろう |
たいぎい |
【用例】クラブで疲れとるのに日曜日は稲刈りのてごよ。やあれ、たいぎいのう |
【語意】おっくうな |
【訳】クラブで疲れているのに日曜日は稲刈りの手伝いだよ。やれやれ、おっくうだなあ |
にがる |
【用例】ゆんべは腹がにがって一睡もできなんだ |
【語意】えぐるように痛む(強烈な腹痛などの時によく使う) |
【訳】昨夜は腹がえぐるように痛んで一睡もできなかった |
はぐいい |
【用例】あと3点で100点とれとったのに。ああはぐいい! |
【語意】はがゆい、くやしい |
【訳】あと3点で100点をとれていたのに。ああ悔しい! |
はしる |
【用例1】今朝鎌で切った指先がはしって… 【用例2】虫歯がはしる |
【語意】ヒリヒリ痛む |
【訳1】今朝鎌で切った指先がひりひり痛んで… 【訳2】虫歯がひりひり痛む |
むつこい |
【用例】ここの店の料理はちょっとむつこい感じがする |
【語意】(油などが濃くて)味がしつこい |
【訳】ここの店の料理はちょっとしつこい感じがする |
やねこい |
【用例】やねこい話になってしもうたのう… |
【語意】面倒な |
【訳】面倒な話になってしまったな… |
数量・距離・時間等をあらわすことば
えっと |
【用例】そがあ(そがい)にえっともろうてもよう食いきらんけえ、ちょびっとでええ |
【語意】たくさん |
【訳】そんなにたくさんもらっても食べきれないので、少しでいいです |
ちびる、ちびた |
【用例】去年こうた車のタイヤが、1年で、はあ半分ちびた。よう走ったもんよのう |
【語意】減る、磨耗する |
【訳】去年買った車のタイヤが、1年で、もう半分も磨耗した。よく走ったものだなあ |
てんが |
【用例】てんがにゃあ、寄りんさいや |
【語意】たまに |
【訳】たまには寄ってくださいな |
とう |
【用例】○○さんのお婆さんなら、とうの昔に死んじゃった(「ちゃった」は敬語(<その他>の項参照)) |
【語意】とっくに、ずっと前に |
【訳】○○さんのお婆さんなら、ずっと前に亡くなられた |
なんぼう |
【用例】おばさん、これなんぼうするんの? |
【語意】いくら(物の値段を尋ねるとき) |
【訳】おばさん、これはいくらですか? |
ねき |
【用例】鍬を使いよるねきへ来ちゃあいけん。柄尻が当たってケガをする |
【語意】そば、近く |
【訳】鍬を使っている近くへ来てはいけません。柄尻が当たってケガをします |
みてる、みてた |
【用例】今朝多めに炊いたお櫃のごはんが、はあみてた。食べ盛りよのう |
【語意】なくなる、底をついた |
【訳】今朝多めに炊いたお櫃のごはんが、もうなくなった。食べ盛りだなあ |
状態をあらわすことば
あぐ、あぎがくる |
【用例】正月三が日、餅ばっかりで、さすがにあぎがきた |
【語意】飽きる |
【訳】正月三が日、餅ばっかりで、さすがに飽きた |
あずる |
【用例】その程度の事を、何をあずりょうるんじゃ(「○ょうる」は、現在進行中を表す) |
【語意】てこずる |
【訳】その程度の事を、何をてこずっているんだい |
あらましい |
【用例】そがあ(そがい)にあらましゅうすりゃあ、めげてしまうじゃろうが! |
【語意】乱暴な、荒っぽい |
【訳】そんなに乱暴に扱うと、壊れてしまうじゃないか! |
いたしい |
【用例】こがあ(こがい)にいたしい問題を出されても、できゃあへんようのう |
【語意】むずかしい |
【訳】こんなに難しい問題を出されても、解けないよねえ |
いちがいな |
【用例】そがあ(そがい)ないちがいなことばっかり言うても人はついてきゃあへんよ |
【語意】頑固。言い出したらきかない |
【訳】そんなに頑固なことばかり言っても人はついて来ないよ |
こうへいな |
【用例】こうへいなことを言うても、まだ子どもよう。何ができょうにゃあ |
【語意】横柄な、生意気な |
【訳】生意気なことを言っても、まだ子どもだ。何が出来るものか |
こまい |
【用例】なんと、あの男はこまいでよう |
【語意】小さい、細かい |
【訳】なんとも、あの男は細かですよ |
さかし |
【用例】わしがさかしい(に)なっても、あいつにゃ勝てんわい |
【語意】さかさま、逆 |
【訳】私が逆立ちしても、あいつには勝てないよ |
そがあ(そがい)に、こがあ(こがい)に |
【用例】そがあ(そがい)にあらましにしんさんな。めげてしまうが |
【語意】そんなに、こんなに |
【訳】そんなに乱暴にしないでくださいよ。壊れてしまいます |
つんどる |
【用例】あこの床屋は今日はつんどった |
【語意】閉まっている |
【訳】あそこの床屋は今日は閉まっていた |
ふうが悪い |
【用例】そがあ(そがい)な“なり”で出んさんな、ふうが悪い! |
【語意】ていさいが悪い |
【訳】そんな身なりで出ないでよ、ていさいが悪い! |
へこさか |
【用例】この額縁は上下へこさかにかかっとる |
【語意】逆、本末転倒 |
【訳】この額縁は上下逆にかかっている |
まんが悪い |
【用例】長患いがようよう治った思うたら、今度は交通事故じゃげな。よっぽどまんが悪い男よのう |
【語意】運が悪い |
【訳】長患いがようやく治ったと思ったら、今度は交通事故だそうだ。よほど運が悪い男だなあ |
みやすい |
【用例】はたから見とる分にゃあ、みやすげに見えても、自分でやってみりゃあ、いたしいのが分かったろうで |
【語意】かんたんな |
【訳】よそから見ているときには、簡単なように見えても、自分でやってみると、難しいということが分かっただろうよ |
もとおる、もとおらん |
【用例1】何をもとおらんことばっかり言ようるんじゃ 【用例2】右肩を脱臼して、右手がもとおらんことになってしもうた |
【語意】通用する、うまくいく(いかない) |
【訳1】何を通用しないことばかり言っているのだ 【訳2】右肩を脱臼して、右手がうまく動かなくなってしまった |
動物や植物の呼び名
その他
げな |
【用例】○○さん方にゃあ、ゆんべ盗人に入られたんじゃげな |
【語意】(人から聞いて)〜だそうだ |
【訳】○○さんの家は、昨夜盗人に入られたそうだ |
ちゃった、じゃった |
【用例1】お医者さんが今来ちゃった 【用例2】村長さんなら、たった今いんじゃった |
【語意】〜なさった、された(敬語) |
【訳1】お医者さんが今来られました 【訳2】村長さんなら、たった今帰られました |
〜て |
【用例1】お父さんはおってかいのう 【用例2】なにゅうしょうってんでがんすの? |
【語意】敬語の接尾語 |
【訳1】お父さんはおられますか 【訳2】何をしておられるのですか? |
ばあ |
【用例】そぎゃあなことばあゆうても、できゃあせんがあ |
【語意】〜だけ、〜ばかり |
【訳】そんなことばかり言っても、できはしないよ |
ほい〜(ほいじゃが、ほいじゃけえ(ん)、ほいでものう) |
【用例1】ほいじゃが、わしゃあ、あんたの言うようにゃあ行かん思うで 【用例2】ほいじゃけえ、わしが言うたろうがや! 【用例3】ほいでものう、あの時にゃあ、あがあ(あがい)するより、やりようがなかったんじゃけえ… |
【語意】だけども、だから、そうは言っても、しかしねえ |
【訳1】だけども、私は、あなたの言うようにはならないと思うよ 【訳2】だから、私が言ったでしょうに! 【訳3】そうは言ってもねえ、あの時には、ああするより、やりようがなかったのですから… |
注)これらの言葉は、地域や世代の違いにより、使われ方が異なる場合があります。
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