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櫓祭り(やぐらまつり)

 大長ミカンで知られる大崎下島の大長地区に受け継がれる宇津神社の秋祭り。以前は旧暦の8月15日に行われていたが、近年では、過疎化の進む中、「人の集まりやすい休日にして、祭りを盛り上げよう」と、9月最後の土曜日に行われている。
 祭りの主役は、高さ2.7メートルもある大きな櫓。1.5メートル四角の台座に赤い大布団7枚を重ね、きらびやかに飾りつけてある。櫓には、台座の中で太鼓を打ち鳴らす子、かつぎ棒の上に乗って掛け声をあげる子らが乗り込み、総重量は2トンにも達する。これを、70人余のかつぎ手が練り回し、交代で奉納する。
 祭りは、神事の後、御神体をのせたみこしを社殿から担ぎ出し、神社前の広場に設けたお旅所に安置することから始まる。途中、行く手を大櫓がさえぎり、一進一退を繰り返して祭り気分を盛り上げる。
 午後からいよいよ本番。たすき、鉢巻き、脚半、法被(はっぴ)で身を固めた男たちが、威勢の良い櫓音頭を唄いながら、広場いっぱいに櫓をかついで練り歩く。途中、「ササゲテ、マワセ」の掛け声がかかると、かつぎ手は「ホーオンエイヤー、エンヤラヤノヤー」と掛け声をあげながら、櫓を上下に大きく揺すり、一気に高く差し上げる。そのたびに詰めかけた見物客から大歓声があがり、祭りは、最高潮に。
 祭りの翌日には、カンキツ祭が行われ、いよいよ大長ミカンの収穫作業が本格化し、島に活気があふれてくる。
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