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吉和太鼓踊り
(よしわたいこおどり)
勇壮な踊りは、敵と味方になぞらえて2列で進む。潮風に鍛えた鋭い気合に乗せて5色飾りのばちが空に突き上げられる。二かかえもある大太鼓、かわいらしい小太鼓、さえた鉦の音に拍子をそろえた攻め、かちどきの微妙な表現は、かつて瀬戸内海に覇を競った水軍衆の面影をしのばす。紺地に白波模様、足利家の家紋二引両(ふたつひきりょう)と橘を染め抜いたそろいの法被。手甲、脚半、白足袋、白ちりめんの長だすき、黄の向こう鉢巻のりりしいいで立ち。地元吉和を出発した踊りの列は総勢120人。車をつけた御座船観音丸を先頭に悪魔払いの赤鬼、青鬼、先払いのやっこ、かんこ方、おうど方の順で商店街を練り歩いて、東久保町の真言宗浄土寺下へ。80段の石段を後ろ向きで上り詰めて境内に入ると踊りは最高潮に達する。たくましい青年に交じって吉和の小・中学校の男の子40人余りも汗びっしょりの熱演を繰り広げ、勇壮な戦踊りに観衆から盛んな拍手が送られる。
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