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小神明
(こじんめい)
小正月(旧1月15日)が近づくと,竹原の町々の広場では大神明が巻かれ,その飾りが寒風にはためくそして所々,家の門に1.2メートルほどの小神明がきらびやかに飾りつけられる。
15日になると,早朝より呼び出しの太鼓の音に誘われて,町の人々や子供たちが集まり掛け声も勇ましく大神明を回す。夕闇が迫るころ,大神明に火がかけられ,炎は薄暮の中に高く燃え上がる。書き初めが高く昇ると勉強がよくできるようになるとか,この火で餅を焼いて食べると夏病みしないとかの伝承がある。火の饗宴である。
その火の中で,小神明も注連縄,正月飾り,お札などと一緒に燃やす。巻いてもらった子供が「燃やしては駄目」と駄々をこねて惜しがる光景も見られる。いつのころ始まったか分からないが,男の子が生まれたら健康で良い子に育つようにと「初神明」を巻き,以後3年続けて巻く。女の子のときは明るく美しく育つように「おなご神明」を巻く。塩田が盛んだった時はにぎやかであったが,今はそうした風習も次第に少なくなっている。
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