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川尻のソテツ
(かわじりのそてつ)
呉市川尻町内の旧家の屋敷内に県天然記念物に指定されている大きなソテツ(雌株)がある。江戸時代、当時あった書院の庭に植えたものといわれ、樹齢は300年以上と推定される。町の人々にもよく知られ、親しまれてきた。根元周囲は6.1メートル、中央に胸高幹囲3.2メートルの主幹が立つ。主幹は地上約2メートルで四方に枝を出し、高さは約7メートルである。主幹には頭状の小枝が多数重なりあってついている。
ソテツは、常緑の裸子植物で、葉の落ちた跡がごつごつした幹の先に、羽状に分裂した硬い葉が群らがっている。雌雄異株、花は茎の先端につき、雄花は集まって松かさのようになり、雌花は球状に集まり、褐色の毛が密生した羽状のめしべの下部両縁に赤い裸出した種子がつく。九州本土の南部および南西諸島の海岸崖地に自生している。関東地方以南の地方では、庭園樹、公園樹として用いられ、特に公共機関の玄関前や寺院の境内によく植えられている。
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