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イベント : 三原ゆかりの浄瑠璃作家 並木宗輔「仮名手本忠臣蔵」文楽公演

掲載日時: 2013年06月03日

 江戸時代初期に誕生した日本の伝統芸能の一つ、人形浄瑠璃文楽。その黄金時代を築いた代表的作家・並木宗輔は、三原市にゆかりのある人物です。6月29日(土)に彼の代表作「仮名手本忠臣蔵」が三原市芸術文化センターポポロ(三原市)で上映されます。日本人が愛してやまない忠臣蔵の人気を不動のものとした仮名手本忠臣蔵と並木宗輔とは?

 人形浄瑠璃文楽は太夫・三味線・人形の三業(さんぎょう)で成り立つ舞台芸術で、成り立ちは江戸時代初期にさかのぼります。一人で場面の情景、物語の背景、登場人物全員の言葉を語り分ける太夫と、義太夫節の情を表現する三味線方が合わさり、義太夫節を構成します。また、三人の人形遣いが操る人形は微妙な動きはもちろん、心情までも表現し、生身の人間以上に訴えかけるものがあります。2008年(平成15年)にはユネスコから無形遺産の傑作宣言を受けるなど、全ての呼吸がぴったり合うときに初めて生まれる芸術性の高さは、日本だけでなく、世界でも評価されています。

 その人形浄瑠璃文楽の発展に大きく貢献した浄瑠璃作家が並木宗輔です。青年時代に備後三原(現:三原市)の禅寺成就寺(じょうじゅじ)で修行し、30歳頃に還俗。その後、文楽の脚本である浄瑠璃の作家として大活躍しました。「文楽の三大名作」とよばれる「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)」「義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)」「仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)」の合作者の一人として知られていますが、作風などの特徴から、実質的な立作者であったと近年の研究で明らかになっています。

 三大名作のうち「仮名手本忠臣蔵」は、元禄赤穂事件―1702年(元禄15年)、江戸城内で刃傷事件を起こし切腹した赤穂城主・浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)の家臣の仇討ち―を題材としている十一段の時代物です。1748年(寛延元年)に初演されて以降多くの観客を魅了し、また、忠臣蔵を元にした作品の代表的な存在となっています。

 今回は浄瑠璃文楽研究の第一人者であり、特に並木宗輔の研究で名高い、内山美樹子氏(早稲田大学名誉教授)の講演と、本作の中でも最も悲劇的な五段目・六段目の上映を楽しむことができます。その他三原市では、並木宗輔が「断継(だんけい)」の名で漢詩を残した「三原集」を見ることができるなど、並木宗輔や浄瑠璃を存分に楽しめる企画が盛りだくさん。この機会に三原市ゆかりの芸術家に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。

【三原ゆかりの浄瑠璃作家 並木宗輔「仮名手本忠臣蔵」文楽公演】
■日時:6月29日(土)13:30〜
■内容:
【第一部】
記念講演:文楽「仮名手本忠臣蔵」六段目のリアリティー
講師:内山美樹子(早稲田大学名誉教授 近世演劇専攻 浄瑠璃(文楽)研究第一人者)
【第二部】
文楽:仮名手本忠臣蔵
五段目 「山崎街道出合いの段」「二つ玉の段」
六段目 「身売りの段」「早野勘平腹切りの段」
主な出演者:[太夫]豊竹英大夫(とよたけはなふさだゆう) [三味線]鶴澤清介(つるさわせいすけ) [人形]豊松清十郎(とよまつせいじゅうろう)
■場所:三原市芸術文化センターポポロホール(三原市宮浦二丁目1‐1)
■鑑賞料:全席指定・通し料金(税込)一等席3000円、二等席1500円
ホール1階席のみの使用となります。※未就学児以下は入場できません。
■チケットに関するお問い合わせ先:三原市芸術文化センターポポロ 0848−81−0886
■お問い合わせ先:三原市文化観光課 0848−67−6014

◇関連事業◇
【仮名手本忠臣蔵DVD上映会】
■日時:6月29日(土)11:00〜11:45(内山美樹子氏の解説付き)/6月30日(日)10:00〜11:30
■場所:三原市立中央図書館(三原市円一町二丁目3‐3)
■定員:各47名(申し込み先着順)
■参加費:無料
■申し込み先:三原市文化観光課 0848−67−6014

【並木宗輔パネル展】
■日時:6月27日(木)〜30日(日)9:00〜18:00
■場所:三原市芸術文化センターポポロホワイエ(三原市宮浦二丁目1‐1)
■入場料:無料

【ポポロ文楽公演記念「義太夫と忠臣蔵グッズ展」】
■日時:6月26日(水)〜7月14日(日)9:30〜17:00
■場所:三原市歴史民俗資料館(三原市円一町二丁目3−2)
■入場料:無料

【並木宗輔と忠臣蔵の書籍展】
■日時:6月26日(水)〜7月14日(日)9:30〜19:00(土・日は18:15まで)
■場所:三原市立中央図書館(三原市円一町二丁目3‐3)
■入場料:無料