イベント : 夏の風物詩「三次の鵜飼」
およそ1300年の歴史をもつ日本の伝統漁法、鵜飼。鵜飼の地として有名な岐阜県長良川から遠く離れた広島県三次市で、独自に発展してきました。全国で一番長い手縄を操り、他では観られない白い鵜が登場する「三次の鵜飼」は8月31日まで楽しむことができます。
鵜飼とは潜水して魚を捕える鵜の習性を利用して鮎を獲る伝統漁法のこと。奈良時代にはすでに行われており、古事記や日本書記、万葉集にも登場します。三次では、永禄年間(1558−1569)に毛利氏との戦いに敗れた尼子氏の落武者が徒鵜(かちう)―ひとりが水際に立って、松明を焚き、他のひとりが1〜2羽の鵜を操って鮎を獲る漁法―を行ったのが始まりだと云われています。その後、寛永12年(1635)、参勤交代の際に岐阜長良川の鵜飼を見た初代三次藩主浅野長治が鵜匠制度を確立。現在のように小船を使い数羽の鵜を操る舟鵜飼が盛んに行われるようになりました。
三次の鵜飼の特徴は、長細い形をした鵜舟と、全国で一番長い手縄です。鵜舟が長細いのは、舟足を速くするため。この形状は川漁に適していますが、安定性に欠けるため、楫子(鵜舟の船頭)の高い操船技術が求められます。また、手縄が全国で一番長いのは、鵜の行動範囲を広くし、収穫量を多くするため。鵜匠が前船頭も兼ね、一度に8羽もの鵜を操ることもあります。その巧みな手縄捌きは圧巻です。
三次では、鵜舟と遊覧船が並走するため、鵜飼を間近で楽しむことができます。また、友好都市四川省雅安市雨城区から贈られた、綺麗な白い鵜の活躍を観ることができるのはここだけ。烏帽子に腰蓑姿の鵜匠が繰り広げる熟練の技と鵜たちとの絆。巴橋をバックに轟々と燃えるかがり火に照らされて浮かび上がる歴史絵巻を楽しんでみてはいかがでしょうか。
【三次の鵜飼】
■運航期間:〜8月31日※毎夜運航 ※荒天時を除く
※みよし市民納涼花火まつり(7月20日)は、一般のご予約を承っておりません。
■運航時間帯:19時45分〜(19時15分までに受付にお越しください)
■会場:乗船・下船とも 鵜飼乗船場(三次市十日市親水公園内)
■申込方法:三次市観光協会事務局へ電話・FAX・来所での予約をお願いします。
■乗合乗船料金:大人2500円(腰掛付き3000円)、小学生1200円(腰掛付き1500円)
※貸切船や弁当付きパック・宿泊プランもあります。
■問い合わせ:三次市観光協会 0824−63−9268