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お知らせ : 江田島市に残る築100年の木造洋館「海友舎」―ぐるぐる海友舎プロジェクト実行委員会

掲載日時: 2014年05月01日

広島県西部の広島湾に浮かび、広島市と呉市の間に位置する江田島市。ここは明治中期、東京築地から海軍兵学校が移転してきた地としても有名です。そして今でも当時の佇まいを残す建物や風景を見つけることができます。その一つが木造洋館「海友舎」。現在、そこは人々の集まる交流の場として新たな魅力を発信しています。
明治期を偲ばせる建物や風景、そして新たな出合い。新緑の爽やかなこの季節、初夏の潮風を感じられる“船”でお出かけしてはいかがでしょう。

 広島県西部の広島湾に浮かび、広島市と呉市の間に位置する江田島市。ここは明治中期、東京築地から海軍兵学校が移転してきた地としても有名で、今でも当時の面影を伝える建物や風景が残っています。

 その一つが木造洋館「海友舎」。旧海軍下士卒集会所だった建物です。旧海軍下士卒集会所とは、海軍兵学校で働く兵士や下士官用の娯楽兼福利施設。海友舎は木造2階建てで、白い欧風な外観をしていますが、室内には畳や床の間などをしつらえた和洋折衷の建物。そして当時は余暇の場として将棋や玉突きなどをするような海軍兵学校の教師のための社交クラブとして使用されていたそうです。戦後、民間に払い下げられ、会社事務所として使用されてきましたが、2012年にその会社が撤退。建物を後世に残したい有志が集まり「ぐるぐる海友舎プロジェクト実行委員会」を立ち上げ、現在、海友舎の保存と活用に取り組んでいます。

 ぐるぐる海友舎プロジェクト実行委員会がまず取り組んだのが“掃除”。地域内外の人が集まり掃除をとおして海友舎への愛着をさらに深めていきました。集まった人のなかには、建築の専門家、料理が上手い人、手芸が好きな人とさまざま。今度は、その人たちが海友舎で自分たちがやりたいことを始める…。海友舎は人が集まる交流の拠点となり、何かが始まる場所として新たな魅力を発信しています。

 5月24日(土)・25日(日)には、海友舎を舞台に瀬戸内の島々で活動する人が集まり交流するイベント『ぐるぐるしましまあるある―瀬戸内の島々をぐるりとつなぐ―』が開催されます。
 さまざまな島で活動する人々。それぞれの島への想い。“島”ならではの魅力にも出会えるに違いありません。
建物が持つ魅力とそこに集まる人の魅力。周辺地域の歴史や町並みを巡りながら海友舎を訪ねてみてはいかがでしょう。

■海友舎
場所:江田島市江田島町中央2丁目7−10
■ぐるぐる海友舎プロジェクトの活動日等詳しい情報はこちらをご覧ください。
http://www.kaiyousya.com/