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イベント : みよし風土記の丘ミュージアム(広島県立歴史民俗資料館)新春の展示会「県立広島大学の文化財−毛利・宮島・地域のたから−」

掲載日時: 2016年01月04日

 みよし風土記の丘ミュージアム(広島県立歴史民俗資料館)(三次市)では、これまで広島県内の学校が所蔵する数々の文化財を紹介し、普段はあまり見ることができない貴重な資料の価値や素晴らしさを知っていただく展示会を開催してきました。
今回は、新春の展示会「県立広島大学の文化財−毛利・宮島・地域のたから−」と題し、公立大学法人県立広島大学がこれまで収集・調査研究されてきた文化財を、「毛利」、「宮島」、「地域のたから」という3つのキーワードでご紹介します。

はじめに
 公立大学法人県立広島大学には、様々な古文書(古文献・古典籍(こてんせき))、絵図などの文化財が保存されています。研究に用いるために収集したものなどで、内容・種類ともに多彩です。こうして集められた膨大な文化財は日々の研究や学生の学びに活用されています。
この展示会では、県立広島大学が保管する貴重な資料の中から70点を公開し、「地域のたから」として伝えられてきた文化財の素晴らしさをご紹介します。

展示内容
 大学が所蔵する文化財を3つのキーワードで分類・構成して展示します。ここでは、各章の概要をご紹介します。
第1章「毛利氏の古文書」
 戦国時代の武将・毛利元就(もうりもとなり)は筆まめな人物として知られ、数多くの手紙を残しました。
その手紙は一族や家臣の結束を固め、意志や情報を伝達する手段として毛利氏の体制を支える重要なツールでした。この章では、毛利元就、その息子の毛利隆元(たかもと)、吉川元春(きっかわもとはる)、そして孫の毛利輝元(てるもと)の手紙などを展示します。

第2章「宮島の絵図」
 宮島は古くから信仰の島として知られてきました。島の美しい風景は、日本三景の一つに称えられ、江戸時代から多くの絵図が描かれ、近代には風景写真が撮られています。
この章では「日本三景之一 嚴嶋旅客便覧地図(にほんさんけいのいち いつくしまりょかくびんらんちず)」など、近世から近代に描かれた宮島の絵図や写真を展示します。

第3章「地域のたから古典籍」
 地域には、たくさんの古文書や古典籍が残されています。それらは、当時の人々の生活の様子や風俗・世相を伝える記録であると同時に、当時の人々の教養の高さを物語る資料です。この章では、「日本山海名物図会(にほんさんかいめいぶつずえ)」や「陰徳太平記新板(いんとくたいへいきしんばん)」、頼山陽(らいさんよう)の書き込み(朱批(じゅひ))がある「篤老詩稿(とくろうしこう)」などを展示します。
 (広島県立歴史民俗資料館学芸課長 田邊英男)

※写真説明
1枚目「「日本三景之一 嚴嶋旅客便覧地図」
観光絵図。左上部に厳島神社の創建や御山、千畳閣(せんじょうかく)などについて説明が記され、下部には七浦廻りの末社が描かれている。(明治30(1897)年発行)
2枚目「錦絵(にしきえ) 日本三景の内」
日本三景の一つである宮島の冬景色を背景に、美しい女性たちが描かれている。筆者は後に五代目歌川国政(うたがわくにまさ)の名を継いだ小国政(こくにまさ)。(明治25(1885)年発行)
3枚目「厳島道芝記(いつくしまみちしばき)」
厳島の名所案内記。簡単に言えば、江戸時代の厳島観光ガイドブックである。宮島の江戸時代の状況がわかる基幹資料。全7巻8冊。(元禄15(1702)年発行)

「県立広島大学の文化財−毛利・宮島・地域のたから−」
【会期】平成28年2月19日(金)〜3月21日(月・祝)
【時間】9:00〜17:00(入館は16:30まで)
【休館】毎週月曜日(3月21日は開館)
【会場】みよし風土記の丘ミュージアム(広島県立歴史民俗資料館)(三次市小田幸町122)
【料金】一般200円、大学生150円、小中高生無料
【問合せ先】みよし風土記の丘ミュージアム(広島県立歴史民俗資料館)0824−66−2881

≪関連行事≫
1.記念講演会
(1)「元就・隆元・輝元−毛利家三代の古文書−」
・日時:2月20日(土) 14:00〜16:00
・講師:秋山 伸隆(県立広島大学教授)
(2)「先人の声が聞こえる−地域文化資料を読むたのしみ−」
・日時:3月5日(土) 14:00〜16:00
・講師:西本 寮子(県立広島大学教授)
(3)「近世・近代の宮島−春の景色を中心に−」
・日時:3月19日(土) 14:00〜16:00
・講師:大知 徳子(県立広島大学助教)

2.展示解説会
・日時:(1)2月21日(日)14:00〜/(2)3月20日(日)14:00〜
・講師:みよし風土記の丘ミュージアム主任学芸員