広島県の文化資源画像

トピックス

イベント : 広島の遺跡〜草戸千軒町遺跡 発掘50年展〜

掲載日時: 2011年11月04日

 広島県は、温暖な瀬戸内海地域と、標高1,000mを超える山が連なる寒冷な山間部があり、多様な自然の姿を持っています。人々は、その自然の中で古くから生活し、さまざまな活動を行ってきました。その活動の痕跡が土地に刻まれたのが遺跡です。県内には、18,467箇所の遺跡が確認されています。(H22年度現在)

 ひろしま文化大百科では、「ひろしまの遺跡」と題し、旧石器時代・縄文時代・弥生時代・古墳時代・古代・中世に時代をわけて県内のさまざまな遺跡を紹介しています。

 鎌倉時代から室町時代にかけての中世とよばれる時代の人々の生活を垣間見せてくれる遺跡には、城館遺跡や集落跡が多く、中でも山の頂上や丘陵の先端につくられる山城跡や、その麓に構えられる館跡などが県内では1,300ヶ所以上が確認されています。
 その中世の遺跡の中で、川底に埋もれた町として知られるのが、福山市・草戸千軒町遺跡。昭和初年の芦田川付替工事の際に、五輪塔、陶磁器、古銭などが出土し、この場所が江戸時代の書物に記された草戸千軒町の跡とみなされ、昭和36(1961)年から発掘調査が行われるようになりました。今年はそれから50周年の節目の年にあたります。これを記念して、広島県立歴史博物館では、草戸千軒町遺跡の発見から発掘調査にいたる経緯、発掘調査や研究の成果などを紹介する「草戸千軒町遺跡発掘50年展」を開催しています。
 中学校・高等学校の教科書でも多く紹介されている「草戸千軒町遺跡」。今回の展示会で、きっと発掘調査50年分の発見と驚きに出会えることでしょう。この機会に“広島の中世”へ、ぜひ足をお運びください。

『草戸千軒町遺跡発掘50年展』
■期間:平成23年10月30日(日)〜12月4日(日)
■開館時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)
■休館日:月曜日
■場所:広島県立歴史博物館(福山市西町2丁目4-1)
■入館料:一般 290(220)円、大学生 210(160)円、高校生まで無料
※( )は20名以上の団体
■TEL:084-931-2513

【関連行事】
公開講座「中世民衆の生活文化」
■日時:11月12日(土) 14:00〜15:30
■講師:志田原重人(比治山大学教授)

座談会「草戸千軒・発掘調査開始の頃」
■日時:11月26日(土)14:00〜15:30
■出席者:松下正司(比治山大学名誉教授)・佐道弘之(福山市文化財保護審議会会長)・神谷和孝(備陽史探訪の会名誉会長)
■司会:後藤研一(考古学フリーライター・元中国新聞社編集委員)